ハコミセラピーは、40年以上前にマインドフルネスを初めて心理療法のセッションに取り入れたパイオニアであり、マインドフルネスを精神力動学的に活用しています。マインドフルネスを補完的に用いるのではなく、マインドフルネスの意識状態が一貫として使われ、深いレベルでのプロセスが可能になります。
また、ハコミセラピーは「身体指向的療法」です。身体は個人の無意識レベルのビリーフのシステムや、その根底にある潜在記憶への扉であると捉えられています。
マインドフルネスと身体、そして、ハコミ独自の技法も活用することによって、クライアントは、短時間で、体験的にコアマテリアルへと至ることができ、気づきや会話を超越した、深いレベルでのセラピーが可能になります。
その結果、私たちが知覚することなく、私たちの人生や、関係性、自分自身への観方などを方向付けしている、幼少期の体験や無意識の青写真へと迅速にアクセスし、癒し、変容させることができます。
ハコミというのは、ホピインディアンの言葉「Who are you?(あなたは何者か?)」という意味です。この名前は1980年の夏に、創始者のロン・クルツの生徒だったデビット・ウィンターがクルツから「(後の)ハコミ研究所」のロゴが書かれた便箋を渡された夢を見たことに由来します。
当時、クルツのセラピーは単に「身体志向的心理療法」と呼ばれていましたが、人類学を学んでいたデビットは、この言葉がホピインディアンの言葉で、「あなたはこの多くの領域においてどのように存在しているか」つまり「あなたは何者か」の古代の尋ね方であることを発見しました。
どちらの意味も“様々な体験の領域から注ぎ込まれてくるものを、人間がどのように組織化するのか、その探求を援助する”と言うクルツのセラピーに合っていたので、ホピ族の許可を得て、ハコミと言う名前が使われることになりました。
私たちには、以下のような自分自身で作り出した思い込みがあります。その思い込みをビリーフといい、無意識の中にあります。
この自分自身を制限しているビリーフがあることで、私たちは心から望んでも叶えられない、手放したいと思っても思うようにならないなど、 心の葛藤に、しばしば悩みながら生活をしています。それは、ビリーフこそが私たちの人となり(姿勢・思考・態度・仕草・感情・表情・身体構造・言動や行動・性格など)のパターンを色づけているからです。
このように“意識的な自己”より、“無意識の自己”が自分をコントロールしています。 私たちはこのような自分を制限しているビリーフから自由になることで、自分らしく、心豊かに生きるための道を、自分自身で発見していくのです。
ハコミセラピーはあなたの人となりを作り出し、維持してきたプロセスを、あなた自身が探求できるようにデザインされています。「援助者付きの自己探求」と言っても良いでしょう。
ハコミセラピーは「身体志向的療法」です。マインドフルネスと身体、そして、ハコミ独自の技法も活用することによってあなたの人生や、関係性、自分自身への観方などを方向付けしている幼少期の体験や無意識の青写真へと迅速にアクセスし、癒し変容させることができます。
ハコミは逆説的に効果的です。つまり、優しくノンバイオレンスでありながら、短時間で劇的な効果が現れます。ハコミの原理に沿った、メゾット、技法の調和の効果です。
マインドフルネスは、私たちがどのように自分の体験を組織化しているかを学ぶためのパワフルなツールです。それは、探究的で、リラックスしており、同時に、しっかりと覚醒した、。客観的に自分の中で起こっていることを観察できるような意識状態のことです。催眠状態とは異なるものです。マインドフルネスによって、通常の習慣的な考えや行動に気づき、そこから、より深いレベルへと、より非言語的な直感へとつながることが可能になります。また、私たちの本質的な自分〔コアな自分〕――過去の体験を超越しており、今この瞬間にあり、安定していて、確信があり、思いやりと叡智に満ちた部分――が活動できるようにサポートをしてくれます。
自然に起こるプロセスからのサインやシグナルを尊重します。クライアントの防衛反応に立ち向かったり、変化を強制するのではなく、ハコミセラピーの技法では、クライアントの防衛反応を尊重し、サポートすることで、そのような防衛反応に秘められている叡智と友好関係を築きます。そうすることで、協力的な自己探索が促進され、適切であるならば、クライアントが、自ら意欲的に防衛反応を手放すようになります。
私たちのこころと身体は、自分自身やこの世界についての私たちの固定観念やビリーフ(生活の中でどのように自分を体験したり、表現するかを色づけしている思い込み)を反映しており、具現化しています。ハコミセラピーは様々な技法で、このこころと身体のつながりを探究することによって、この身体的な情報、コアビリーフや、それが作り出す体験に気づき癒やすお手伝いをします。
人は、様々な部分から成り立っていて、完全なホールネス(全体性)であり、生きている有機的なシステムです。私たちの個々の部分はホールネスに常に参画しています。このシステムのあらゆるレベル――身体、精神レベル、こころのつながり、対人関係、家族、文化、そしてスピリチュアルなど――での相互依存関係を大切にしています。
人には自然治癒力が備わっており、良くなるための叡智が備わっています。ホールネス(全体性)の中で全ての個々の部分がコミュニケーションができると、システムは自然と進むべく方向性を見つけ、自ずから軌道修正や間違いを正すことができます。ハコミセラピーでは、クライアントがホールネスへと有機的に開花していくことをサポートし、それがクライアントのシステムが自然と求めている進むべき方向であると信頼しています。セラピストのゴールを強制するのではなく、クライアントのシステムと協力的に取り組むのです。人は深いレベルで、周囲の人や親などの誰よりも自分自身がよくなりたいと一番強く願っていますので、結果的に、深く、速く、癒やしの効果があらわれ、クライアントためだけにオーダーメードされた癒やしの道が開花されていきます。
ハコミセラピーの5つの原理のより詳しい内容はこちらのファイルをダウンロードしてお読み下さい。
ハコミセラピーは“もっと自由に自分らしく人生を歩みたい”“望む自分になりたい”などという自己成長を望む方、“この苦しみから早く抜け出したい”“周りへの恐怖や不安が今より少なくなれば生きやすいのに”などという生きづらさを抱えている方、そして多くの方をサポートし治療する臨床の現場まで、幅広い場面に非常に効果的な、心理セラピーです。また臨床の現場に限らず、教育や福祉、企業など「人」を大切にする現場でも、とても役立ちます。
自己成長を望むとき、成長したいという思いと裏腹にそれに抗う何ものかによって、思うように目標に向かって努力することすらできないときがあります。
人はしばしば、自分の中にある「成長したいという望み」と「無意識の中にあるそれを妨げるもの」に悩まされますが、「成長したい」という部分が自然に湧き上がってくるように「それを妨げる」という部分が湧き上がってくるのも、またごく自然な事なのです。
ハコミセラピーでは、「妨げる部分」にこそ意味があるととらえています。
ハコミセラピストとともに「この妨げる部分の意味」に取りくみ探求し、やがて「妨げる部分」の全容が明らかになり自ずと花開くように変容に至り、自分の無意識が望む自分へと統合していきます。
ハコミセラピーは、クライアントの認知、行動、情動的な態度などを深く変容させることに効果的で、個人、夫婦、家族、グループといった多くのセラピーの現場において活用が可能です。様々な悩みや精神的疾患を患っているクライアントに適切です。
さらに、様々な心理学理論が統合されたものであり、カウンセラー、臨床士、心理学者、ソーシャルワーカー、スピリチュアルケアカウンセラー、コーチング、ボディーワーカー、グループセラピストなど多くの専門家たちに用いられ、成功を収めています。短期・長期のセラピー両方において効果的です。
アメリカ合衆国ボルダーに本部を置くNPO法人ハコミ研究所(Hakomi Institute)は、1981年にロンクルツとトレーナーのコアグループによって設立されました。ハコミ研究所は、40年前よりマインドフルネスを最初に心理療法に取り入れたハコミセラピーの教育機関として国際的に活躍しています。
本部はアメリカにあり、北米各地、カナダと共に、スペイン、ドイツなどヨーロッパ諸国、ブラジル、コロンビアなど南米諸国、中国、台湾、日本などでトレーニング、ワークショップを行っています。
日本ハコミ研究所は、2011年にハコミ研究所のトレーナー(Cedar Barstow, Gregory Johanson, Lorena Monda)を招聘してのハコミセラピー総合トレーニングコース開催を機に設立されました。
日本ハコミ研究所は、ハコミ研究所のプログラムによる国際資格が取得できるサイコセラピストの養成専門機関です。
また、認定トレーナーやティーチャーによるハコミセラピーを体験したい方や自己成長を望む方のための、ワークショップも各種行っています。
>ワークショップはこちら
1.ハコミセラピーの普及・教育・研究・専門家養成を通して広く社会に貢献すること。
2.認定セラピスト及びハコミセラピー総合トレーニングコース修了者で、認定取得を目指す者(サーファティケーション フェーズ スチューデント)の相互研鑽
名称 | 日本ハコミ研究所(Hakomi Institute Japan) |
代表 | 岡田 千恵子 |
住所 | 〒819-0055 福岡市西区生の松原 |
連絡先 | Email:info@hakomijapan.org |
設立目的 | ハコミセラピーの普及。教育・研究・専門家養成を通して広く社会に貢献する。 |
事業内容 |
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ハコミセラピー完全ガイド【理論と実践】
マインドフルネスに基づいたソマティックな心理療法
ハコミセラピー/カウンセリングの基礎から上級まで
Ron Kurtz(原著)
ロン クルツ(著)
岡 健治(翻訳)
高尾 浩志(翻訳)
高野 雅司(翻訳)
星和書店
Amazonで購入する
【おすすめポイント】
ハコミセラピーの教科書となりうる本。
基本的な内容が記述されている。オススメ!
自己変容をもたらすホールネスの実践
マインドフルネスと思いやりに満ちた統合療法
Hakomi Mindfulness-centered Somatic Psychotherapy
A Comprehensive Guide to Theory and Practice
Halko Weiss(著)
Greg Johanson(著)
Lorena Monda(著
Body-Centered Psychotherapy
The Hakomi Method : The Integrated Use of Mindfulness, Nonviolence and the Body
Ron Kurtz(著)
Experiential Psychotherapy With Couples: A Guide for the Creative Pragmatist
Rob Fisher(著)
Grace Unfolding: Psychotherapy in the Spirit of Tao-te ching